「プリンパフェお待たせしましたー」


明るい声でパフェを運んで来た店員をつい睨んでしまう。
間の悪い店員め。
パフェ食べる気分なんて、ほんの数秒前になくなったんですケド。


「チエちゃんがいるクセに。
全くどんな夢見てたんだか」


大野センパイはため息混じりに笑うけど、私は心穏やかでいられない。


だって私と橘センパイは本当は付き合ってないし、夢にまで見るんだもん。
センパイはまだ『雪乃』を吹っ切れてないのかもしれない。


女タラシになっただけじゃなくて、あんなにモテるのに本命のカノジョを作らないのも、全部『雪乃』のせいなのかもしれない。