「ねぇねぇ暁様、バレンタインのチョコ、食べてもらえましたぁ?」

甘えたように擦り寄る一人の女子生徒。

「えーっ!私のチョコの方が先よぉっ!」

「何言ってるのよ!私のが一番に決まってるじゃん!」

もう二月も下旬になるのに何故こんな話になるかといえば、暁がバレンタインに獲得したチョコの数が、芸能人ばりの200個オーバーだったからである。

毎日食べても一年の3分の2を費やすほどの数。

「ごめんね、なかなか数が多くてさあ…でも、全部ちゃんとありがたく食べさせてもらうからね」

白い歯をキラン☆と輝かせて暁が笑顔を見せると。

「「きゃあぁあぁんっ!暁様ぁ!」」

それだけで女子生徒達は目からハートマークを飛ばした。