「ねえ、海斗…美海、貰うから」 帰りの車で寝てしまった美海を愛しそうに見つめる海斗にそう言う。 「…は?」 「海斗が素直にならないのが悪いんだからね」 海斗は不機嫌そうに顔を曇らせるがきっと、この言葉の意味は解っていない。 いいよ…どうせ直ぐ解ることだし。 俺はニヤリと口を緩ませた。 それから、美海と初めて過ごす、夏休みは風の様に去っていった。