花は野にあるように

「それって………?」


ますます方向の変わるリョクの話に、僕は首を傾げた。


「ん。
自分を正当化したいだけなのかもしれない。
そんな事に、教えを使うなって家元には怒られちまいそうだけどな。」


くす、と小さな笑い声をこぼして、リョクは言葉を続けた。


「俺なんてさ、全然まっとうな人間じゃないじゃん?
女のくせに、まったくらしくないし、見えないし。
まともなガッコ行ってないし、フツーじゃない育ち方してるし。」


淡々と言っている、そのリョクの言葉の中身は、全然軽いものじゃない。