花は野にあるように

間近にリョクの引き締まった顔が寄せられて、僕の胸が状況もわきまえないで、どくんって跳ね上がる。


「そ、そうなんだ?」


大きくなった鼓動の音を聞かれないように、僕は平静を装ってリョクに答えた。


「そう。
だから、誤魔化したり、我慢したりしないで俺に教えて?」


あ。


ダメだよ、そんなに。


近付いちゃ。


必死に平静でいようとしてるのに。


あん。


ほらまた、僕の心臓が派手な音を立て始めてる。


その激しい鼓動に、僕はつい視線を逸らしてしまった。