花は野にあるように

小さいことは僕のコンプレックスのひとつなんだからねっ!


………って。


言いかけて、でも。


そう言えば、最近あんまり気にした事なかったなぁ、って事に僕は気づいた。


リョクと出会ってからずっと、毎日起きる沢山の事件で僕は一杯になっていて、そんな些末な悩みごとなんてどこかに置き忘れてきてしまっていたみたいだった。


これも全部リョクのおかげ………なのかな?


僕はリョクの引き締まった顔をこっそりと覗き見しながら、そんなふうに思っていた。