HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]

それを知ったのは、風邪をひいた日から2週間経った日だった


放課後、久しぶりの部活休みで裕美と波留と遊んでいた時だった


「ねぇ、あれ遊じゃない?」

「えっ?遊がこんなところにいるわけないじゃん~」


裕美が差すほうへ視線を移すと遊と...女の子が街を歩いていた


えっ!?女の子?!


なっなんで女の子と遊がいるの?


あたしは軽くパニックになっていた、裕美はそんなあたしを見てニヤッとわらった


「話しかけて見ようか」

「えぇ!?悪い...ってちょっと!」


裕美はあたしの話しを聞かずに、遊に近づいていった


それにつられてはるとあたしも遊に近づいた


「遊、そのこ誰?」

「ねっねぇちゃん!誰でもいいだろ」


照れながら、遊はあたし達から離れて行った


「待って!最近上の空だったのはその子のこと考えてたからなの?」

「ちげぇよ!」


遊の顔は真っ赤になっていた


はっは~ん、遊はあの子のこと好きなんだ


「付き合ってるの?」

「うるせぇな、わりぃかよ」


えぇ!!遊に彼女?!


「あの、始めまして」

「始めまして、姉の千紗です」

「彼女の、麻美です」


なんだか、見てると初々しい


2人の手をつないで帰る姿をずっと見つめていた