にこにこと銀に話しかけたはるかさんはみるみるうちに顔が赤くなっていく。


「あ、はるかさん。これは私の遠い親戚の山吹 銀といいます。」

「はじめまして」

「あ!そうなの!?やだ私はてっきり外国の方かと思った!ことちゃんの親戚の銀くんね!よろしくね〜
じゃあ銀くんにも新作のケーキの味見頼もうかな!」


「え!はるかさん新作ケーキつくったんですか?」


「そうよ〜ぜひ味見してほしいの。雪斗の感想だけじゃまだ自身もてなくてね。他の人の意見も聞きたくて湖都ちゃんを呼んだの。はい。これ。食べてみて。」



そういってはるかさんが出してきたのはラズベリーやブルーベリーがのったチーズケーキだった。


私と銀はゆっくりと口にいれて、味わう。すると、ラズベリーやブルーベリーの酸味とチーズケーキのまろやかさと酷が絶妙にマッチしていた。


「「おいしい、、、、」」


口から自然と言葉がでてきた。なんだか夢心地で私と銀はケーキの味を噛み締めた。

私たちの言葉を聞いたはるかさんはパアッと明るい笑顔で、「ありがとうっ!」と喜んでいた。



「ヒトってこんなうまいもんつくれてさ。やっぱりすごいよ。な、湖都。」


感心した顔で私にそういう銀は、目をキラキラさせていた。



そっか。銀ってケーキそのものを今日生まれてはじめて食べたのかも。



私はなんだか、こころがあったかくなるのを感じた。

銀と暮らしていたときはいつもそうだった。
いつも私の悩み、聞いてくれたんだっけ。


私はケーキを嬉しそうに食べる銀の横顔をこっそりと見つめていたのだった。