あの優しさの塊のような人が殴る…? 「南を追いかけろってさ」 笑いながら中山奏弥は話した。 それって―――… 「だから未歩の手、奪いに来た」 甘い声に、頭が痺れる。 嬉しい。 嬉し過ぎるよ…… 奏弥。 「隣に来て…っ…」 「ほんと、隣に来てだのあたしの手奪ってだの、ワガママな女」 そう言いながら ちゃんと来てくてれる。 ワガママにもなるよ。 好きだもん。 好きなんだよ、いっぱい。