【短編】ロック☆チョコレート



「南ってさぁ」


「ん?」


「…いや、何でもない」



途中で、高木くんが微妙に傷ついた顔をして言葉を止めた。


続きが気になる……

けど聞けない。雰囲気的に。


高木くんの横顔からあいつの横顔に視線を移すと、昨日のキスを思い出して顔が熱くなる。


そして胸が切なくなるんだ。


悲しいんだよ、なんか。

君とのキス。


罪悪感があるんだよ。



――『ごめん』
――『今の忘れて』



その言葉が胸にチキチク攻撃してくるの。

それはきっと違和感って言う。


中山 奏弥。

あなたの心にも違和感は、ありますか?