柚木さんの顔をじっと見ていると、彼の唇が近づいてきた。 キスされる。 東くんの笑顔を振り切るように、目をきつくつむった。 そのとき、 「里緒?」 「柚くん?」 喧噪の中、声がはっきりと届いた。 慌てて柚木さんから離れ、振り返ると、すぐそこには東くんと舞さんが立っていた。