「………それにしても。」


誰もいない教室。

いつも五月蝿い教室も放課後になれば静かになる。


「はぁ~…。」

自分のため息も響く。


自分の席からグラウンドを眺める。

さすがに蒼空はまだいないけどね?





琉稀との一週間。


琉稀は色んなところに連れて行ってくれた。

しかもどこも高級なお店。


後から琉稀に聞いたんだけど、琉稀はお父さんが社長さんなんだって。


お金持ちで完璧人間。

欠点がなさすぎて恐ろしい。


私には手が届きそうもない。


でも、それを琉稀が手を差し伸べてくれる。

私に手を届かさせてくれる。



私を見て笑う琉稀をこの一週間たくさん見て、


本当に幸せそうな顔だから……。




なんか凄い、キュンってしたんだ。