『あ…そういえば……』


私はスーパーの袋から取り出した物をルゥに差し出す


それを見た瞬間、ルゥの瞳がキラキラと輝いた




『かりんとうっ!!!』




ルゥはかりんとうを受けとってマッハの勢いで袋を開け、バリボリと…かりんとうを笑顔で頬張った


『夜魅!!サンキュー!!』


『ルゥの大好物だから町に出たついでに買ってきた』


『さすが夜魅!!好きだ!!結婚しよう!!!』


ニコニコとかりんとう片手に私の手を握るルゥの頭にチョップが落ちる


『痛ぇ…何すんだ!!!蒼夜!!』


頭を押さえてルゥは下から蒼夜を睨んだ


蒼夜はニコニコと黒い笑みを浮かべてルゥを見下ろす


『夜魅は俺のだから手を出さないでね』


『誰が誰のだって?』


サラッと訳の分からない事を言った蒼夜を私は呆れた様に見上げる


『ん?だから……』


言葉を続けようとした蒼夜だったが急に後ろを振り向いて黙りこんだ


私はそんな蒼夜の反応を不思議そうに眺める


一体どうしたんだろう?


『蒼夜…どうか……』


『夜魅っ!!伏せろ!!!』


『え…っ!!?』


蒼夜は私の返事を待たずに腕を引っ張って私に覆いかぶさった


私は何が何だか分からないまま地面に俯せる