『……居たのか』


『夜魅の近くに居るのは当たり前だよ』


蒼夜はニッコリと微笑んで私の肩に手を回す



……もちろん振り払ったが



『…夜魅にばっかり引っ付いてないで自分の役割を果たしたらどうだ?』


ルゥが冷たく下から蒼夜を睨んだ


ルゥの赤い瞳には何とも呆れた様なそれでもって怒りの表情も見て取れる


蒼夜……嫌われてるなぁ


理由は分からなくもないけど


『…俺は夜魅とパートナーだからね。俺の仕事は夜魅の仕事。夜魅の仕事は俺の仕事だよ』


ツッコミたくなる台詞だが…
あえて何も言わないでおこう


なんか言った瞬間、自分が損をする気がする


『…ったく、そんなんだからお前は上の連中に嫌われんだよ』


『…別にあんなオッサン共に嫌われたって何とも思わないね』


蒼夜がハッと息を吐き捨てた


いや…別に上の連中にはオッサンしか居ない訳ではない


食堂のおばちゃんとか居るし


『…んな事言うな、あいつらも好きでハゲた訳じゃねぇから』


『ルゥ…誰もハゲなんて言ってないよ?』


『…分かってるっての』


私はルゥのボケに軽くツッコんだ


ルゥがわざと言ったのか…ただの天然なのかは分からない