『凄い推理力だったね…スパイだって事見破られちゃった』


槙が苦笑いを浮かべて愛華に語りかけると、愛華は何やら深刻そうな表情を浮かべていた


『愛華ちゃん……?』


『槙、幹部への報告を待ってくれる?』


『へ?…何で?』


槙が訳が分からないといった様に眉を寄せる


それもそのはず


鍵の1番近くに居る男と絡んだのだ


しかもその男は上層部の奴に頼まれ、鍵の秘密まで知っていた


上層部はあの鍵のパートナーである男の存在を幹部に知らせていない


これは幹部への裏切りとも取れる行為だ


幹部に命じられて送り込まれた槙達にはその事を報告する義務がある


『だから!待ってって言ってんの!このままじゃ納得出来ないんだから!』


『納得って……?』


『あの男…蒼夜が言ってた事よ!使い捨てってどういう意味なの?槙、あんた何か知ってるんでしょう!!?』


愛華が槙に詰め寄ると、槙はオドオドと困った顔をする


『な、何も知らないよ!僕が愛華ちゃんに隠し事するわけないでしょ?』


『……それもそうか』


愛華は一旦落ち着きを取り戻し、フゥっと息をはく