しばらく歩くと真っ黒な扉が見えてきた


アジトへの入口……


もちろん誰でも中に入れる訳ではない


私は真っ黒な扉の前に着くとゆっくりと口を開く


『ルゥ……扉を開けて』


扉に向かって言葉を投げ掛けた瞬間、1人の少女がヌっ…と扉をすり抜けて私の前に立った


彼女は私よりも身長が低く、何をしていたのか茶髪の短い髪が無造作にボサッとしていた


『…寝てたんだから起こすなよ』


そう言ってルゥは眠そうに目を擦る


………寝てたのか


私は1つため息を漏らした


『門番が寝ちゃダメでしょ』


『……だってココつまらないんだぜ?妖魔でも来たら盛り上がるのにさ』


『……来たら一大事ね』


ルゥはつまらなさそうに扉に寄り掛かった


本当、仕種も行動も男っぽいなぁ…


そういえば私が初めてココに来たときはルゥを男と勘違いしたっけ……


私は遠い日の記憶を懐かしく振り返る


『やっほ、ルゥちゃん元気?』


急に蒼夜が私の後ろから顔を出した


呑気にルゥに向かってヘラヘラと手を振っている


ルゥはそんな蒼夜を見て、心底嫌そうな表情を浮かべた