今日も刀を振りかざす



幹部が電話線までいじって俺達に人事異動を知らせない様にしたのにはきっと訳があるのだろう……


多分、夜魅だ……


夜魅の様子を細かく知る為にこいつらを派遣したとなると納得がいく


幹部は上層部を信頼してないんだろうな……


念には念を入れたという訳か


蒼夜は頭の中で冷静に推理する


槙はそんな蒼夜の様子を静かに見ていた


蒼夜の事は幹部の奴らから知らされていたし有名でもあった


―――YGP内で1番の戦闘力


まさかこの距離で俺達の存在に気付くなんて……恐ろしい奴だ


槙はそう考えながらゴクリと唾を飲み込んだ


『やっぱりYGPの人間か。町の人間にしては行動がおかしいと思ってたんだよなぁ』


まだ緊張が続く中、蒼夜はダルそうに壁に寄り掛かる


『……いつから俺達に気付いてた?』


槙の言葉に蒼夜はふっ…と笑みを漏らした


『……初めからだけど?』


そう言うと蒼夜は槙の後ろに居る愛華に目を向ける


『……夜魅はまだあんた達に気付いてないから安心すれば?スパイさん?』


『………ッ!!』


明らかに表情に焦りが出る愛華


そんな様子を見て蒼夜は「分かりやす」と、ため息を漏らした


愛華の顔がカァっと赤くなる