『オッサン…俺、みんなを守る力が欲しい』
『…………』
『誰も傷付く事のない世界にしたい』
『…それは誰もが思う事だ。だが……』
オッサンはそこまで口にして押し黙った
“口にしたくない”
そう思ったに違いない
『言っただろ。夜魅は渡さない』
……“みんな”が悲しむ事のない世界を目指すんだ
決して…犠牲になんかしない
どんな未来が待ち続けようとも……俺は夜魅を守る
“どちらにも”夜魅を渡してやるもんか
『……蒼夜、忘れるなよ。…お前も家族だ。1人で突っ走るのは許さないからな』
オッサンの真剣な言葉に俺は思わず笑みを漏らした
『…分かってる』
待ち構える未来は……幸福か、絶望か…
選択は出来ない



