高貴を思わせる茶色い扉を前に私は2回ノックをする


『入りまーす』


やけに間延びした言い方で中からの返事を待たずに蒼夜が扉を開けた


いつものことながら……呆れる


『蒼夜…返事を待ってから入れって言ってるだろーがっ!』


奥の椅子に腰掛けている男が私たちが入ってきて早々罵声を浴びせる


私は大きな声に思わずビクッと肩を上げた


『オッサン、夜魅が怖がってるから怒鳴らないでねぇー』


『誰が怒鳴らせてんだっ!それにオッサンじゃねぇっ!お前と5歳位しか違わねぇし!』


『正確には6歳ね、そこんとこよろしく』


『このやろっ………!』


怒りに奮え、椅子から立ち上がったリーダーを私は慌てて落ち着かせる


……ったく、この2人は毎度毎度よくやるよ


私は小さく溜め息を漏らした


『…それよりジニーさんは?オッサンに用無いんだけど』


蒼夜が部屋をキョロキョロ見回しながら言った