『………〜!…っ!』



リーダーの部屋へ向かっているとドタバタと忙しく動いている看護師が目に入った


部屋から部屋へ…たくさんの荷物を持って、行ったり来たりを繰り返している


その様子を見て蒼夜が眉間にシワを寄せて口を開く


『どっかの部隊が大怪我を負って帰ってきたかな?』


蒼夜も同じ事を考えてたんだ………


『だろうね。それも多分…大きな部隊だよ』


看護師が入ったり出ていったりしている部屋は確か大部屋だったはず……


集団で手当てをしているんだろう……


出てきた看護師の手には、血が大量に付着した使い古しの包帯が握られていた


私も自然と眉を寄せる


『………あっ』


大部屋から出てきた人物に見覚えがあり、私は短く声を漏らした


その人物も私たちに気付いて、悠長に手を振りながら近づいて来る


『……よう!今帰りか?』


『あ、ハイ。……リクさんは何してたんですか?』


『…ん?俺?サボり』


『……懲りませんねぇ』


『まぁな』


リクさんが笑みを浮かべてポケットから煙草を取り出す


しかしライターが無かったらしく、煙草を吸うのを諦めた