ここに妖魔を送り込んだ奴が居るとしたら妖魔にも親玉が居るってこと……?


『……狙いは夜魅か』


『…あぁ、仕掛けてきたな』


ルゥと蒼夜が何か呟いたが声が小さすぎて聞こえなかった


『2人とも…何か言った?』


『あっ!ルゥちゃん、この呪石は俺が研究室に持って行くからそこの妖魔の残骸は頼んだ』


『蒼夜のくせに指図をするな、言われなくてもこんな残骸すぐに消える』


2人に聞き返そうしたが話をそらされてしまった


まぁ……そんな重要な話じゃなかったの…かな?


『じゃあ……そろそろ中に入りますか』


『…そうだね』


私は蒼夜に言われてアジトの入口をくぐった


その後に蒼夜も続く……


まださっきの2人が話してた内容が気になるけど…


蒼夜が言わないなら問い詰める事でもないよね……


私は自分の心に言い聞かせ、深くは気にしないようにした











『俺達は夜魅を…世界を…護れるのか……?』

ルゥの声は夜魅に届く事なく
闇の中に消えていく

悲劇の始まりは音も無く近付いていた