校長の長い話も終わり、いよいよ教室へ侵入する。

萌とクラスは同じで、他に、幼稚園の頃仲良くしてた、原田翠ちゃんとも同じクラスだった。

座席表通りに、席に座り、あたりを見渡すとみんな私と同様チャラチャラとしていた。

―――ガラガラ――――

 教室のドアが開く音がした。その先には担任が立っていた。

見た目は、イケメン。外部からの情報では、生徒に告られる数年間20回ほどだとか……。

「静かにぃ! 今年1年間E組の担任を務めることになった、渡辺勇 だ。よろしくな」

 あたりはざわついている。ほとんどが女子のざわめき。

(やっぱ、モテんだwww)

「静かにぃ! この中でバスケ部はいる奴いるかぁ?」

 私は、ドキッとした。

「いねぇのかぁ? この名簿には、バスケ推薦で入ってきてるやついるけどなぁ?」

 そう、私だ。私が、推薦者だ。すると、後ろから萌が、

「手あげなっ」

 と小声でつぶやいた。

「は、はい……」

 静かに手を挙げた。 周りは一斉に私に、注目。 

笑うしかなった。こん中で一番バカなのは私だからだ。

「お前か! 宜しくな! 顧問だから」
「は、はあ……」

 そして、休み時間に入ったとたん女子が私にかけよってくる。

「ねぇ! 私、勇先生に、恋してんだぁ…… いいなぁ」
「私もバスケ部はいろっかなぁ?」

 それも先生の話ばかり。

その頃、萌は、翠ちんと、平和にしゃべっている。

(助けて……)