突然ですが、私は、とある夢を見ます。

それは、前世の記憶。

そして、今の私には、予知能力がたまに出てくるの。
所謂、特別な者。

そして、もう一つの秘密。

実は、私、代々受け継がれ、伝統の神を奉る家の者であり、巫女なんだ。

この仕事は、本来ならば、二十歳。つまり、大人の仕事。

しかし、私のお母様は、昔から体が弱く、とても巫女のような、体力がいる仕事など、出来る状態では、無かったから。

私を必死に生んだお母様。

そんなお母様を助けるため、5歳の頃から、巫女修行。

どんな事だって、一生懸命頑張った。

そして、高校に上がった去年。
正式な富澤家の巫女となった。

これが、私の他人に言えない秘密。

「おはようございます。和奏様。朝の儀式の時間でございます。ご準備を。」

いつもの朝に聞こえる、巫女遣いの落ち着いた声。
その声に返事をして、衣服の着替え。

赤と白の巫女着。
毎朝同じデザイン。オシャレの一欠片もない。

長く伸ばした黒髪を、クシで解かし、後ろで一つに結う。

ただそれだけ。

それが終わり、襖を静かに開き、外にでて、閉める。

物音たたずに歩き、仕事場へ。

仕事場へ行き、儀式を行う。

朝はいつも、同じ。