「いいんじゃない、菜々美の好きにすれば。」


郁人が普通にOKを出したので、お互い名前で呼び合う仲になれた。



「でも、分かってるよね菜々美は俺のだから。」


郁人がジロッと睨んで釘を刺した。


「郁人、春日はもてるんだから、そんな心配ないよ。ねっ?」


二人して、俺に釘さしてるよね、今!!


分かってます。多くは望まないから傍に居させて。



「まあね、俺がその気になって落ちない奴はいないからなあ!

 そんな面倒なことにはならないよ。

 菜々美惚れるなよ!」


この日から俺たちは親友になった。

好きな子が親友ってけっこうキツイなあ、

でも、明らかに俺の横恋慕なわけだし。

この位置は今の俺が許される一番近いポジションだろう。


帰りがけに菜々美が


「誕生日って知らなくてプレゼント用意できなくてごめんなさい。

 良かったらこれ貰って、友達になった記念も兼ねて。

 今度はもっといいものあげるからね。」


自分の携帯についてるストラップをはずして手渡した。


「サンキュ-」


と言って受け取った。

菜々美とずっと一緒に居たストラップ、スゲ-嬉しい。

やばいよ菜々美お前ってツボ抑えすぎ。