郁人の宿舎について車を降りる

緊張で固まった菜々美を促すように車から連れ出すと、

後ろから声を掛けられた。

郁人と、永澤遥だ。研修の時一度会ったことがある。


「菜々美?」

郁人だと確認した一瞬、

菜々美は踵を返して走り出した。


「郁人早く追って!!」


二人が走り去った後、

のこされた俺と永澤、

俺は彼女にいきなり聞いた。


「お腹の子は郁人の子じゃないよね?」


「はい、そうではありません。」

ホっとした俺は、

「身体大丈夫なら

 ホントの事聞かせてもらえないかな。」

ベンチに座って永澤から真実を聞き出した。