「アメリカへ行くんだって?」

「そう、前から決まってたんだ。

 行く前に学校に行けて良かった。

 先生のおかげよ。」

「大丈夫か?」

「学校?

 大丈夫、先生に背中押してもらったから、

 有や瑠璃以外にも学校に友達はいるって思えたし。

 勉強も解るようになったから楽しかったし。

 先生が好きって言ってくれたから、

 気持ちが軽くなったし。」


しばらく見ない間に万里はに暗い影は無く、

明るい顔で笑えるようになっていた。

そんな顔ができる万里を眩しく思える。




「ねぇ先生、あたし先生が好き。」


「万里俺は、、、」


「分かってるよ、菜々美先生に早く告っちゃえばいいのに。」


「あのなあ、」


「振られたら慰めてあげる。

あ、でも、あしたからアメリカなんだ。」


「え、もう。」


「手続きとかいろいろねあって。

学校は9月からだから、

一度日本に戻るし、卒業式には出たいんだ。」