「毎回蝶は本当に浪士たちに狙われるな。」

帰り道に土方さんが苦笑いでその言葉を漏らす。

「ふふっ。私弱そうに見えますからねえ。まあ、弱いんですけどね。」

「いいや?蝶ちゃんが綺麗に相手をひきつけてくれるから俺らはやりやすいよ」

沖田さんが楽しそうに話す。

「ああ。あの舞い上がり方は見事だった。」

「一さんまで・・・みなさんほめすぎですよ?」

私は照れて下を向く。

目のまえを綺麗な蛍が通る。

「あっ!蛍だ!!!」

私は蛍が珍しくておもわず声を上げる。

「なんだ蝶。蛍が好きなのか?」

土方さんが不思議そうに聴いてくる。

「あ、はい!それに珍しくて・・・」

「え?蝶ちゃん蛍が珍しいの?」

沖田さんが驚いてこちらを見てくる。

「はい。私が住んでいた場所は蛍があまりいなくて。」

「そっかあ・・・」

そういうと一さんがすっと手を出す。

「え?」

「蛍だ。」

「うわあ!」

一さんの手には蛍がそっと握られていた。