誠の紅桜に止まる蝶

「お前、土方さんや沖田さんたちから一目置かれてるからって調子に乗るんじゃねえぞ?」

隊士の一人は私をにらみながらそういう。

この人たち、朝私の悪口言っていた人だ。

はあ・・・どんだけお決まりパターンなんですか。

私は内心苛々していた。

男たちは全員で3人。

なにかあれば自分でどうにかできる人数。

そんなことを冷静に考えていると髪を掴まれる。

「なっ!痛い!!」

「お前、人の話聞いてるのかよっ!!!」

「っ聞いてるわよ!!!単なるひがみなんでしょ?!!」

「んなわけねえだろうが!!」

男は勢いよく私を突き飛ばす。

私はなんとか踏みとどまる。

「俺らはな、この仕事に誇りをもっているんだよ!!なのにお前みたいな中途半端なやつがこの仕事をやるのが気に食わないだけだ!!」

「なにが誇りよ!誇りがある人間がこんな小さいことするわけ?誇りなんて簡単に口にするんじゃないっ!」

私は勢いよく啖呵を切る。

「この野郎・・・」

すると男はこちらに刀を向けてきた。

「おいっ!佐野助!さすがにそれはまずいぞ!!」

「落ち着けよ!!」

周りにいた2人の男が佐野助という男を止めに入る。