「涼しい・・・・」

私は夜風に当たりながらそうつぶやく。

今宵は満月。

「きれい・・・・」

月と星が自分の存在を主張するように輝きあっている。

私は近くの桜の木に舞い上がる。

そしてしばらくぼうっとする。

この時代はやっぱりみんないい人たちばかり。

だからこそ私はいまここにいる。

だけど・・・・

もとの時代に、もう帰れないの?

もうお父様やお母様とは、会えないの・・・・?

そんなことを考えていたら不意に涙が零れた。

「っ・・・・」

さみしいのかな?

正直、宴会の風景を見てうらやましいと思った。

お互いを信頼しあっている仲間たち。

私のことを温かく迎えてくれる。

だけど・・・・