「行くぞ。」

ぶっきらぼうに土方さんが言う。

私は急いで後を追う。

「たぶん、お前の強さならば巡察についてきてもらうかもしれない。」

土方さんは申し訳なさそうにつぶやく。

「巡察ですか?」

「ああ。」

「別にかまいませんよ?」

「だが、下手をすれば人を切るかも知れないんだぞ?」

人を、切る。

正直怖い。

だけど、それがいまの時代。

「大丈夫です。」

私は気丈に答える。

するとふわりと土方さんは頭をなでる。

「お前は強いな。心配するな。俺はお前に人を切らせるような場面をつくらせない。」

「っはい!」

私は泣きそうになるのをこらえて答える。