蝶は沖田から竹刀を借りる。

周りには隊士たちがざわざわと集まってくる。

「んじゃ一本勝負ね!防具つけてないから叩くときはお互い軽めにするように!それじゃ始め!」

総司の声と同時に俺らは動き出す。

早い。

こいつ、いいや蝶はほかの武士よりも格段に強かった。
スパンっ

あたり一面に乾いた音が響いた。

「一本!勝者蝶ちゃん!!」

そう沖田さんが告げた瞬間ざわざわと周りが騒ぎだす。

「うそだろ・・・あの鬼の副長に勝つなんて・・・・」

「何者だあいつ・・・」

俺が唖然としていると蝶はいきなり地面を蹴り空中で一回転をし、俺の後ろに回る。

振り向くと舞扇で男の刀を受けていた。

「あなた、誰?」

「っち!急に出てきやがって!お前邪魔だ!!」

男が切りかかる。

しかし、蝶は舞うように男の剣を受けていく。