誠の紅桜に止まる蝶

蝶はまるで花弁のように木から降りる。

「本当に身軽だな。桜みたいだ・・・」

俺はおもわずつぶやく。

「ふえ?」

「いや、なんでもない。」

俺は蝶を持ち上げる。

やっぱり軽いな。

「ええええ?」

蝶は突然の出来事に顔を真っ赤にする。

「あ、土方さんずるい!」

総司が悔しそうに俺を見る。

「いや、ずるいとかの問題じゃ・・・・」

蝶が恥ずかしそうにつぶやく。

「まず行くぞ。」

俺は歩き出す。

蝶を抱き上げたのは隊士たちに蝶が絡まれないためだ。

酔っている隊士たちはいつも以上に見境がないからな。

俺の横を総司が歩く。

たぶん俺の行動の糸を読み取っているからだろう。

「土方さん、そのかわいい子誰ですか?」

「新しい女ですか?」

やっぱりきやがった。

「はいはい。後でね。」

総司がさらりと隊士たちをあしらう。

おかげで俺は黙って蝶を運ぶことができる。

蝶がこちらを見てくる。

「なんだ?」

「もしかして、土方さん私が隊士のみなさんに絡まれないためにこうして運んでくれているんですか?」

嬉しそうに微笑む。

「なっ。お前が逃げ出さないためだ!」

俺は顔を真っ赤にしながら否定する。

「ふうん・・・」

蝶は少し納得いかなさそうな顔でうなづく。