「はあ・・・寒い」

私はおもわずつぶやく。

今は夜。

だいぶ雪は溶けてきているがまだまだ春には程遠い。

ただいま私たちは巡察中だ。

「大丈夫か。蝶。」

土方さんが心配そうにこちらを見る。

「はい。大丈夫です！」

私は元気よく頷く。

「僕はさむいですぅー土方さーん！」

新八さんが気色悪い声を出す。

その声を聴いて原田さんと平助君が大爆笑する。

「温めてあげたら？土方さん。」

沖田さんが楽しそうに土方さんをいじる。

「総司。あまり土方さんを困らせるんじゃない。」

一さんが沖田さんをたしなめる。

「ったく新八、お前頭かち割るぞ？」

「きゃあ！やめてぇー！」

土方さんの言葉を聞いて新八さんがまた気色悪い声を出しながらくねくねする。

私はおもわず噴出した。

今日の巡察は隊士の半分が風邪をひいているということで隊長クラスの人たちで巡察を行っている。