外に出ると二人は桜の木の前にいた。

「お父様、お母様!!」

私が叫ぶと二人はこちらを振り向く。

「どうしたんじゃ蝶。こんな夜更けに。」

私は二人に抱きつく。

「わわっ!本当にどうしたの?」

お母様が慌てている。

「今まで私を育ててくれてありがとう・・・」

「蝶・・・」

お父さまがつぶやく。

「私、幕末にいってもいい?」

「あなたが以前タイムスリップした場所ね?」

お母様が優しく微笑む。

「うん。そこでね、私土方さんと出会ったの。ごめんなさい、私土方さんの傍に行きたいの。」

私は二人に抱きついたままで言葉を発する。

「おぬしはそれで後悔しないのじゃない?」

「うん。」

「いってくるのじゃ蝶。おぬしが望む道を歩むのじゃ。」

「ええ。そうよ蝶。愛しい人のもとで元気に暮らしなさい。」

お父さまとお母様は優しく微笑む。

「っ・・・ありがとう・・・二人とも本当に大好き・・・こんな形でお別れしてごめんなさいっ・・・でも・・・わかってくれてありがとう・・・」