この日だけは時間が過ぎるのが果てしないような感覚に襲われた。

「おいっ!誰か手当を頼む!!」

隊士の声に私は弾かれたように玄関に走った。

「っ平助君!!」

隊士に両腕を抱えられて額から血を流している平助君の姿がそこにはあった。

「こちらへ運んでください!!」

私は急いで用意していた部屋へ案内する。

血をぬぐいぐったりしている平助君の傷を癒す。

「今治るからね?」

私は一生懸命に力を使う。

やがて傷は消える。

「んっ・・・・俺は・・・」

平助君が目覚める。

「平助君!よかった、大丈夫?額を割られていたんだよ?」

「え?でも怪我してない・・・蝶が癒してくれたのか?」

「うん。私にできるのはこれくらいだから・・・」

「ありがとうな。」

そういって無邪気に微笑む。