誠の紅桜に止まる蝶

私は一人階段に腰かけていた。

「蝶ちゃん!どうしたのそんな暗い顔して。」

沖田さんが向こうからやってくる。

「あ、いえ、いつになったら古高は自白するのかなって思って・・・」

「ああ、土方さんの拷問は凄まじいからもうすぐじゃないかな?」

実は古高という男が捕まっていた。

この男はなにか重大な事実を知っているらしいのだが、なかなか口を割らない。

それで数日前から土方さんが聞き出そうとしている。

「あれ・・・古高の声がやんだんじゃない?」

沖田さんが不思議そうに耳を澄ましている。