誠の紅桜に止まる蝶

「蝶。朝からなに難しい顔してんだよ。」

「あ、土方さん。おはようございます。」

気が付くと土方さんが面白そうにこちらを見ていた。

「なにか考え事か?」

「あ、いえ、変な夢みちゃって・・・」

「変な夢?」

私は夢の出来事を話そうか迷った。

だけど、なんとなくやめておいた。

「あ、土方さんの詩集を持って行って怒られる夢です。」

「ったく、お前は何処まで総司に似てきたんだよ・・・」

土方さんは苦笑いで私の頭を撫でてくれる。

「似てませんよ?沖田さんのほうがやんちゃですから!」

「いいや、かわんねえよ。」

「土方さんの意地悪~!」

そう言って私は土方さんに背を向ける。