「近藤さん!!医者を呼んでください!!」

俺は急いで屯所に帰り、近藤さんの部屋に入る。

中には土方さんもいた。

「総司、慌ててどうし・・・って蝶君!!」

「蝶?」

土方さんが慌ててこちらに来る。

俺の腕の中にはまだ血が止まらずぐったりとした蝶ちゃんがいる。

「浪士に切られました。」

「こんなにひどい怪我・・とりあえず山崎のもとへ俺が運ぼう。」

そう言って俺の手から近藤さんは蝶ちゃんの体を預かり、走り出す。

「総司、どうして蝶は・・・」

「最近、蝶ちゃん昼も夜も巡察毎日いってたんですよ。その反動で体が疲れているんですよ。そこを浪士に斬られたんです。」

「そんな・・・」

「土方さん。蝶ちゃんを大切にしないなら俺がもらいます。」

「っお前に蝶は渡せねえよ!!」

そう言って土方は走り出す。

どんな時も冷静な土方があんなに慌てるなんて珍しい。

「ったく、素直じゃないんだから・・・」

総司はそんなことを考えながら部屋に戻った。