『………っ! 先輩……痛いっ!』 先輩は少し冷ややかに笑い 私の腕を掴む手に力を強めた。 『……あれ、お兄さん? それとも他人なのかな?』 『あの雪の日… 噴水の近くでヤってたよね…?』 …!!? 私は黙って応えなかった。 きっと聖のことだ。 どう答えようか伺っていると 幸先輩はこうなることを知っていたかのように笑顔で囁いた。 『誰よりも、そばにいて』 何も答えずに黙っていると いつもの笑顔で何事もなかったかのように言った。 『今日は送るよ』