目を開けて、隣りの大きな手を、そっとつかむ。 清春の肩が、ぴくりと揺れた。 「凛……?」 「ほんと、バカ。 清春は、そのままでいてくれればいいんだよ」 心をこめて、温かい手を握った。 いつも半分しか開かれない瞳が、ゆっくりと大きく開いていく。 待たせちゃって、ごめんね。 待っててくれて、ありがとう。 「好きだよ、清春」 ずっと寂しがっていた あたしの右手がいま、満たされた。