水族館のあと、車の通りの少ない坂道を抜けて。
しばらく車を走らせて着いたのは、港近くの広大な公園の中にある、海と街が一望できる展望台だった。
平日の夜だからか、他に人はいなくて。
車を停めて、あたしたちは展望台の柵の前に立った。
「きれい……」
それ以外の言葉は、出てこなかった。
まばゆく光る、白。温かく光る、オレンジ。静かに光る、青。
赤に黄色に緑にピンク……色んな光がキラキラまたたいて、揺らめいて、
ただそこにある。
今日も明日も明後日も、変わらずに。
「いいだろ、ここ。ちょっと寒いけど、穴場なんだ」
「うん。寒いのなんか気にならないくらい綺麗だね」
「気に入ったか?」
「もちろん、とっても」
さっきは変わらずに、この景色はあると思ったけど、ちょっと違うかもね。
形を変えても、やっぱりそこにある。
小さな光りが1つ消えても、違う光が1つ増えて。
この綺麗な景色はずっとあるんだ。
涙が出そうになった。
「なんで……」
「ん?」
「今日は、なんで、あたしを……」
にじむ夜景をぼんやりと見つめながら聞くと、
離れていた手にまた、そっと手を握られた。


