「わあ! くらげって、こんなに綺麗だったんだ!」
ぴたりと寄りそうように回った、水族館の最後の方。
高い天井まである、大きなくらげの水槽の前で、あたしは感動してとび跳ねた。
ほわんほわんと、踊るように揺れて泳ぐくらげたち。
綺麗で、かわいい。
見てるだけで、癒される。
自然と表情が緩んじゃうな。
日下先生はどんな顔して見てるんだろう。
そう思って隣りをそっとうかがうと、
先生は、微笑みながらあたしを見ていた。
「ん? どうした?」
「……ううん。なんでもない」
「そうか」
「うん」
また、前を見る。
前世で水族館に行ったのは、いつだったっけ。
小5くらいの時だったかな?
家族とは行ったけど、『るいち』と行ったことはなかったなあ。
なんだか、デートみたいだね。
前世ではできなかったことだ。
あたしはキュッと強く、先生の大きな手を、握り締めた。


