お互いの吐息が聴こえるほどの距離で、同じ水槽をのぞきこんで、 子どもみたいに魚を見つけてははしゃいで、笑い合って。 まるであの頃に戻ったようで、何度『るいち』と呼んでしまいそうになっただろう。 その度ぼそぼそと「先生」と言い直すあたしを、日下先生は穏やかに、けれど寂しそうに見つめていた。 こんなに傍にいるのに 心はどうしても、寄り添えない。 でも隣りの温もりは確かなもので、驚くほどに心地よくて。 それでもいいって、思えたんだ。