胸元にレースがあしらわれていて、Aラインがとっても綺麗な、着心地の良いミニワンピ。
柔らかい肌触りに、着た瞬間うっとりしちゃった。
いつもより高いヒールの靴と、クラッチバッグ。
ネックレスとおそろいのブレスレットもつけたら、鏡の中の自分が自分じゃなく見えてびっくりした。
化粧は上手くないって前回でよくわかったから、マスカラとリップだけでやめておいた。
髪も自然なままだから、やっぱり子どもっぽいかと思ったけど、
日下先生が褒めてくれたから、ちょっと安心。
芽衣子にもらった服を、本当に着る時が来るなんて。
今度会った時、口の悪い親友にお礼を言わなくちゃ。
「行こう」
助手席を開けてエスコートしてくれる先生にうなずいて、車に乗りこむ。
前にここに座った時よりも、ずっとドキドキするよ。
車が家の前を通り過ぎる時、自然と清春の部屋を見上げた。
窓の前に立っていた清春と、目が合った気がした。


