日下先生に話そうと決めたはいいけど、なかなかタイミングが難しかった。
まず2人きりになれる時なんて、なかなかないし。
昼休みも先生は、女子生徒に囲まれてることが多いし。
できたら、学校じゃない場所がいいな。
だとしたら、日下の家?
でも日下先生が実家に住んでるのかも知らないや。
「凛、帰ろう」
「うん」
悩んでいたら、あっという間に放課後になって、あたしたちは学校を出た。
なんとなく、清春に後ろめたい気持ちになったけど、表に出さないようにした。
清春は鋭いから。
「今日返ってきたテスト、おばさんにすぐ見せるの?」
「あ~……機嫌が良い時を狙って見せる。もしくは忙しくて、あたしに構ってられない時」
「ぷっ。姑息だなー。凛ってこういう時だけ頭回るよね」
「なんとでも言えばいいよ! 頭良い奴にはわかんないんだよ!」
「うん。わかんない」
いつも通りの軽い言い合いをしながら歩いていたら。
職員玄関前の門のところで、うろうろしている人影を見つけた。


