「心配って、なんの?」
「凛が、過去に執着しすぎて、いまを見なくなるんじゃないかって」
「執着……?」
清春の言葉に、びっくりした。
あたしの姿は、そんな風に清春には見えてるの?
「凛は単純で直情的だからな。いま同い年で、すごく気の合う友だちができたとしてもさ。芽衣子って人が唯一だって思いこんで、新しいものを受け入れなくなったりするんじゃないの?
そういうのは、良くないと思うから」
さっきよりもっと、びっくりさせられた。
思い当たる節があったのもそうだけど。
清春、そこまであたしのことを見てたんだ。
このぼーっとした顔の下で、どれだけあたしのことを、考えてるんだろう。
やっぱり、清春は大切な幼なじみだ。
あたしのことをよく見てて、よく知ってて。
だからバカなあたしがバカなことをしようとした時、しっかり止めてくれるんだね。
「……ちょっと前なら、そうなってたかも」
確かに少し前のあたしには、『いま』が見えてなかったよね。
それに、少し前のあたしなら、清春に言われてカッとなって、またケンカになってた。
どうしていまは、そうならないと思う?
清春が、こんなバカなあたしを見離さないで、ずっと隣りに、懲りずにいてくれたからだよ。


