合間合間にトークも入って、1時間くらいで路上ライブはお開きになった。
深田くんはすぐに女のコたちに囲まれちゃって。
せっかくだから声をかけて帰ろうと待ってたんだけど、困ったなあ。
待っていたら女のコたちがいなくなった時、彼の前に少し背が高くて、綺麗な長い黒髪の女の人が立っていた。
サングラスをしてるけど、すごい美人だってわかる、雰囲気のある人。
ちょっと、パパノエルのボーカルのミオに似てるかも。
その人と話す深田くんは、見たことのない顔をしてた。
笑顔なんだけど、うれしそうで、くすぐったそうで。
それでいてキリッとした男らしさも感じるような、特別な表情。
「もしかして、あの人が……」
「なに? 凛あの人知ってるの?」
「知らないけど、たぶん深田くんの好きな人じゃないかなあ。
前に聞いたんだ。年上の人だって。清春は聞いたことある?」
「ないね。恭次あんまり恋愛関係の話ししないし。……俺のことはよくいじってくるくせに」
「え?なに?」
「なんでもない。邪魔しちゃ悪いし、帰ろうか」
清春の提案に乗って、帰ることにした。
感想は、メールか学校が始まったら言えばいいよね。
がんばれ!
と、彼に心でエールを送って、あたしたちは駅前をあとにした。


