深田くんから聞いた駅前に行くと、もう人だかりができていた。
よく見れば、同じ中学の生徒がほとんど。
ユキちゃんとアリサにも教えてあげればよかったなあ。
いまからメールして間に合うかな?
そう思ってケータイを出してすぐ、深田くんたちの演奏が始まった。
思わず、ケータイをしまっちゃう。
だって、入りからカッコイイんだもん!
コピーじゃなくて、オリジナルだよねこれ!
「わあ! すごい! すごいね清春っ」
「ん~……」
「みんなノリノリだし! やっぱり深田くん上手なんだぁ!」
「……だから嫌だったんだ」
ブツブツ何か呟く清春の背中を思いきり叩いて、あたしは盛り上がる観客の中に飛び込んだ。
深田くんはキラッキラな笑顔で、かっこよくギターをかき鳴らしていた。
とっても楽しそうで、いつも以上に輝いて見えた。
彼は絶対に将来プロになる!
プロになって、売れっ子になる!
打倒エイジも、きっと実現できると思った。
あたしは同級生として、全力で応援するよ。


