同時にフンッ! と顔を反らす。
ああ、なんだかすごく、嫌な気分。
るいちにも腹が立つけど、こういう自分にもイライラする。
なんて、可愛くないんだろう。
自分を嫌いになっちゃいそうだよ。
「似た者夫婦……」
芽衣子のそんな呟きは聞こえなかったフリをして、
あたしは1人でさっさと靴を履き替え、学校を出た。
るいちなんか、美人マネージャーとイチャイチャして、勉強なんかそっちのけになって、テストで赤点取ればいいんだ。
あたしは良い点とって、るいちをバカにしてやるっ。
ごめんなさいって、土下座させてやるんだからー!
「待てってリン! あたしまで置いてくなよ!」
「あ、芽衣子。……ごめん」
「ったく。いいのかよ? あんなこと言って。なんかあの女やり手っぽかったし、日下も誑かされるかもしんねーぞ?」
「知らない。あたしには関係ないもん」
「またんなこと言って。他の女と日下が付き合ってもいいのかよ? 絶対後悔すんだろ」
るいちが、他の女のコと?
たとえば、さっきの小野さんみたいな?


