「友也が……」


「ま、ちょっと明るくなりすぎだけどな!」




そっか、あの友也が。


あんなチャラチャラした感じでも、ちゃんと家族を大切にしてるなら、それでいいか。

友也がそんなに強い奴なら、心配する必要はないよね。



友也、お父さんとお母さんを、お願いね。




「もう5時になんのか。帰るか、リン」


「うん。パーティーの準備して、家族が待ってるからね」


「あたしもプレゼント用意しとくから。次会う時楽しみにしてろよ?」


「期待してるよ~!」




おしゃべりしながら、駅へと並んで歩きだす。


本当は、まだまだ寄りたい場所がある。

前世で通ってた中学校とか、よくお菓子買いに行ったコンビニとか、小さい頃から遊んでた公園とか。



それと、『るいち』の家も。



入れなくていいから、外から眺めるだけでもいいから、寄りたい。

でも駅とは逆方向だし、言いにくい。


それに、日下先生に万が一鉢合わせしちゃったら……。


今度こそ、言い逃れできない気がする。


だから、はやくあたしはあたしのいるべき場所に、戻らないと。